ここ2〜3年、新店ラッシュが続く福岡のパティスリー。魅力的なスイーツが一気に増えました。そこで、それぞれのお店から“定番”と“イチオシ”をピックアップ。食べておきたい、食べてみたいスイーツを一挙にご紹介します。
取材・文/羽根則子 撮影/平川雄一朗
桜坂
桜坂の閑静な住宅街に登場して早2年。すでに固定客も多いこの店では、フランス菓子の軸を固守しつつ、オリジナリティを加えたケーキがズラリと並ぶ。大事にしているのは、旬の果物やハーブの香りや風味。できる限りフレッシュなものを使い、生地やクリームとのバランスを考慮しながら、ケーキに最大限のみずみずしさを与えている。
やわらかい甘さとさわやかな酸味が融合 フランス語でハチミツを意味する名前のとおり、アカシアハチミツを使ったムースがベース。中に洋ナシのジュレをしのばせ、上部にはショウガ、レモン、ハチミツの香りを移した洋ナシの果肉をトッピング。蜂の巣を模した黄色のチョコレートの飾りが、目にも楽しい。
おだやかなレモンの風味が心地よい 香料やリキュールに頼らず、レモンの皮のすりおろしをたっぷり使ったパウンドケーキ。レモンの自然な香りがやさしく広がり、食べ疲れしない。シンプルな材料で作るベーシックな菓子ながら、ていねいに作ると、飽きのこない美味しさとなる好サンプル。
藤崎
パティスリーというと生ケーキ、焼き菓子のラインナップを思いがちだが、焼き菓子もケーキやビスケットだけでなく、クロワッサンやショソン・ド・ポムといったパンに近いもの、さらにはパート・ド・フリュイやヌガー、キャラメルなどコンフィズリーまで幅広く揃える。夏場にはアイスクリームも登場し、ますます選ぶ楽しさが広がる。
塩気の効いたタルト生地が味のアクセント ほろほろの生地にアーモンドクリームと果物をのせて焼く、フランスの伝統菓子。これは直径12cmほどの大きさで、バニラと一緒に炊いた洋ナシを使用。タルト生地をそのままで、アーモンドクリームを敷いて、洋ナシをのせてさらに焼くことで、輪郭のはっきりした味わいに。
色味と味わいで楽しむスイーツの春 粉アーモンドを使ってざくっとした食感のスポンジ生地にのせるのは、ピスタチオとイチゴのしっとりとした食感のムース。キルシュを効かせ、大人味のスイーツに仕上げる。ムースの中にはイチゴを丸ごと並べ、きれいな断面となるようにカットするのは、プロのなせる技。
長住
スタイリッシュな店内に並ぶのは、インテリアに負けるとも劣らないデザイン性の高いスイーツの数々。お菓子にはしっかりした甘さが必要と豊潤な甘さを前面に出しながらも、その中に繊細さを表現。とりわけチョコレート使いを得意とし、甘さだけでなく苦味とコクを、生地にクリームに飾りに使い、多彩な表情を見せる。
高貴なオリエンタル風味が香る つやっとした真っ白な見た目がどこまでも上品。これはホワイトチョコレートのコーティングで、覆われているのは、マスカルポーネとジャスミンを抽出したクリーム。アールグレーの紅茶で風味づけをし、ベルガモットのフレーバーもプラス。
チーズケーキのモダンスタイルが新鮮 ほろほろの生地を土台に、バラ風味のチーズケーキを2種、ベイクドとレアを重ねた一品。層の間にはラズベリーのシロップ、ライチを混ぜたラズベリーのゼリーを挟み、味と色のアクセントに。チーズケーキはここまで洗練できる。
【続きは本誌50ページで】
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