Latest issueソワニエ最新号

バックナンバー

2025年
2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年

美味しい顔 〜料理人の履歴書〜 CHEF'S HISTORY VOL.42

できない理由を探すのではなく、
目標や夢を叶えるために頭と体をフル回転させる。
そのどこまでも純粋なパワーに魅せられ
自然とまわりに人が集まる、愛されし料理人。

取材・文/三浦翠 撮影/勝村祐紀

みかん 末安拓郎さん

人の縁に感謝して
飾らない心で進んでいく

圧倒的な統率力、突き抜けたパワフルさ。豪快な笑顔で人を惹きつける末安拓郎さんは、料理人というジャンルを凌駕するような魅力を持つ人物だ。
久留米市の実家は代々農家を営んでおり、「朝起きた時のご飯の香りは今も覚えていますね。ガス釜で炊いていました」と振り返る。小さい頃から野球漬けで腕白だった末安さんが最初に抱いた夢は、長距離トラックの運転手。「理由は全国のラーメンを食べ歩きたかったから(笑)。そんな自分に世間の荒波を経験させるべく、親父のすすめで福岡市内のホテルの和食店へ入ることになったんです」と話す。
最初は料理のイロハも分からず、厳しい環境に揉まれることになるが、野球部で培った強い精神力で歯をくいしばる。「まかない料理の担当になって、料理雑誌を立ち読みしたり。たまに褒められたりして、少しずつ面白くなっていきました」。やがて3年経ち、湧き上がるのは「どうしたら先輩たちを超えられるのか」という思い。そんな負けん気と共に京都の料理店へ片っ端から電話して、唯一受け入れてくれた町場の料亭へと飛び込んだ。「ハードワークでしたが辞める人も多く、煮方とか揚げ物とか色んなポジションを担当できたんです」。7年ほど腕を磨き、仕出し屋や和菓子店、居酒屋などを経験して「かしこまりすぎない居酒屋ながらしっかり美味しい和食を出す」という『みかん』のイメージを固めた末安さん。福岡へ戻って空間や接客、経営など店づくりに必要な物事を広く学び、2014年、32歳の時に自身の店をオープンさせた。

続きは本誌で

みかん
住所:福岡市中央区春吉2-12-20
TEL:092-712-0388
営業時間:17:00〜OS24:00
定休日:日曜
23席
クレジットカード:可
QRコード決済:一部可
喫煙:禁煙
駐車場:なし
カツオの藁焼き700円、クリームコロッケ580円、がめ煮600円、肉じゃが600円、おまかせ7000円〜
ソワニエ+ vol.90 2025年3・4月号より