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美味しい顔 〜料理人の履歴書〜 CHEF'S HISTORY VOL.38

現地で愛される骨太なイタリア料理に情熱を注ぐ、
真っ直ぐな潔さをもつ料理人。
食材の香りや味わい際立つ美味しさが、食べる者の心を打つ。

取材・文/三浦翠 撮影/勝村祐紀

Antica Osteria Totó 本田剛さん

イタリア人が食べて喜ぶ
それこそが目指すべき一皿

本田剛さんが料理人へと進む道は、持ち前の直感と決断力で切り拓かれていった。大学進学の直前に、手に職をつけたいと思い調理師専門学校へ。卒業後は大阪のホテルに入り、その後もフレンチの店で修業をしていたが、当時はイタリア料理の大ブーム。東京で興味が湧いた一軒を「一度覗いてみよう」そう思った瞬間から、運命の舵は大きく切られた。
「一言でいえば、ハマったんですね。それまで学んだフレンチとアプローチや考え方がまるで違うのが面白くて」。師匠と仰ぐシェフとの出会いもあり、フィレンツェへ。だが、料理を学ぶ以前に突き当たったのが言葉の壁だった。「天気がいい、お腹空いた、給料が欲しい。そんなことも伝えられなくて、一度スイッチを入れ直しました」。時は2000年。今のような情報通信機器も発達しておらず、頼る日本人もいない。「国際電話で母に、イタリア語のラジオ講座の教材を送って欲しいと伝えました。限りある年数の中でできるだけ多くを詰め込みたかったので」。語学学校に在籍しながら店に通い、少しずつ意思を伝えられるようになり1年半が経った頃、次に働く店を探しに一人、シチリアへと行くことになる。

続きは本誌で

Antica Osteria Totó
住所:福岡市中央区大濠公園2-35 THE APARTMENT 1-B
TEL:092-402-3305
営業時間:11:30〜OS13:30/18:00〜OS19:30
定休日:火曜、第1・3水曜 席数:36席
カード:可 QRコード決済:不可
喫煙:禁煙 駐車場:なし
ランチコース3300円・5000円、ディナーコース(要予約)7150円・9350円
ソワニエ+ vol.86 2024年7・8月号より