Latest issueソワニエ最新号

老舗のはなし 第7回 許山酒販

老舗のはなし
第7回 許山酒販

第7回 許山酒販

売るのではなく、つなぐ。

四輪駆動の自動車は、その手足とも言うべき4つのタイヤで大地を力強く踏みしめ、どんな悪路も走破する。小一時間話してみて分かった。明治21年創業の老舗酒屋『許山酒販』6代目・許山浩平さんは、着実に前へと進む四駆タイプだ。
許山さんは大学を卒業後、全国に展開する飲食チェーンでマネージャーを務めていた。来店客も多く、動かす金額も大きい。そういう点では、やりがいはあったという。「ただ、そういう決められた枠組みの中ではなく、自分で何かを表現してみたいという気持ちが強くなりました。同時に、故郷の古賀市に貢献したいという思いもあったんです」。
家業を継ぐことを決めた許山さんに、先代は「何を売っても良い」と言った。時代は移り変わり、今や酒はどこでも買える。酒屋が酒だけを売る時代ではないという意味だったのだろう。許山さんが出した答えは「売らない」だった。「売るのではなく、つなぐ、でしょうか」。落ちついたトーンで、はっきりとそう言った。





続きは本誌で

ソワニエ+ vol.55 2019年5・6月号より