宿のご主人であり料理人である山田近司さんは、根っからの料理人。朝食の仕込みを始める早朝から夕食の後まで忙しく厨房に立つ。その仕事ぶりからいつしか料理宿として名を馳せている『やまだ屋』の看板料理は、前菜のひとつ「チーズ豆腐」。誕生したのは今から20年も前のことで、もともと牛乳を使った嶺岡豆腐を作っていたが、ある日思い立ってチーズを入れてみたところ、本人いわく「全く美味しくありませんでした」。ところが暫く経ち、再びチャンスが訪れる。頂き物のゴルゴンゾーラチーズを裏ごしして豆腐に加えたところ、これが驚くほど美味しく仕上がったのだ。
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