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美味しい顔 〜料理人の履歴書〜 CHEF'S HISTORY VOL.37

小さなステンドグラスから漏れるあかり。
心に染み入る熱燗と家庭料理の数々。
カウンターに立つのは、純粋さと包容力を持ち温かな心地よさを醸し出す店主だ。

取材・文/三浦翠 撮影/勝村祐紀

町屋あかりや 畑麻由子さん

福岡のまちにあかりを灯し続けていく

揚げたてのコロッケ、作りたての野菜炒め。出来たての料理の香りや美味しさを、自分で作ることで学んだのは、畑麻由子さんが小学4年生の頃だ。「母は昔から料理上手でした。父が病気になってから仕事に出る時間が長くなって、下準備した食材を置いて『仕上げは自分でしなさい』というスタイルだったんですね」。地元である東京都荒川区の町屋に、母と小料理屋を開いたのは24歳の時。当時はイラストレーターとしても活動しており、二足のわらじを履く働き方だった。10年経って母が引退した時、「自分が店を守る」と決めて絵の仕事を辞め、結婚・出産を経ても産後2週間で復帰。家族のような常連客にも愛されていた店の転機になったのは、福岡で活躍していた兄からの移住の誘いだった。「最初は考えられないと思っていましたが、両親も移住を望んで…。老朽化で新しい店舗を探していたので、思い切って決めたんです」。

続きは本誌で

町屋あかりや
住所:福岡市中央区赤坂1-10-7 スコーレ赤坂102
TEL:092-781-1388
営業時間:平日・祝日16:00〜22:00、土曜14:00〜20:00
定休日:水・日曜 席数:8席
カード:不可 QRコード決済:一部可
喫煙:禁煙 駐車場:なし
地味盛り950円、深夜食堂の長イモのソテー500円、リバーワイルドの豚もつ煮込み720円、お通し300円
ソワニエ+ vol.85 2024年5・6月号より