vol.49
福岡で唯一のシナモン農家は、国内でも希少な存在。
代々守り続けてきたシナモンの木から生まれる味わいをシナモンティーにして世に届けるのが、白石強さんだ。
紀元前4000年頃から使われ始め、世界最古のスパイスともいわれるシナモン。インドネシアなど海外での生産が主流だが、実は糸島でもシナモンの木が栽培されている。場所は、福岡市と糸島市の境にそびえる高祖山。かつて怡土城が築かれたこの地には、奈良時代に遣唐使が薬草園を開き、その一部にシナモンが植えられたと伝わる。そのシナモンを植え替え、守り続けてきたのが『泉屋六治』の代表・白石強さんの先祖だ。強さんは糸島産のシナモンを商品化できないかと考え、大学でマーケティングを学んだのち、大手食品会社へ。商品開発などの経験を身に付け、14年前に加工品「シナモン・ティー」の開発に成功した。シナモンティーは通常、シナモンの樹皮を使うのに対し、『泉屋六治』では乾燥させた葉のみで製造。樹皮に比べ香りが穏やかな葉は、日本人好みの上品さを併せ持ち、すっきりとした後味も楽しめる。
「農薬を使わず、有機肥料と糸島の湧き水で育った自然由来のシナモンです。今後は香水作りにも挑戦してみたい」と強さん。静かに成長を続けてきたシナモンの木は、糸島の地に根を張りながら、今も新たな可能性を育んでいる。
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