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九州のスター生産者 vol.19 赤司農園の桃

九州のスター生産者

vol.19

赤司農園の桃

 飲食店のファンも多い『赤司農園』の桃。
職人気質な作り手とそれを支持する買い手の間にあったのは、確固たる信頼関係だった。

赤司直紀さん/桃・柿農家

「桃を育てるのは、まるでお姫様を育てているようです。大事に大事に、という感じで」と赤司さん
左.「川中島」や「霊峰(れいほう)」など約15種類の桃を栽培。忙しい作業の傍ら、イベントにも精力的に参加している。
右.今年の直購分は完売したが、うきは市吉井町の「にじの耳納の里」ではお盆頃まで購入可能。
何よりも大切なのは美味しいこと
そのための労力は厭わない

南に耳納連山を抱き、北に筑後川が流れる長閑な土地・うきはで、桃と柿の栽培を行う『赤司農園』は今の時季、桃がシーズンを迎えている。農園を切り盛りする赤司直紀さんが最も大切にしているのは「とにかく美味しいこと」。例えば桃に太陽の光がきちんと行き届き、また、風通しが良くなるようしっかりと摘果する。摘果した分、収穫数は減るが栄養が行き渡りやすくなる。また、昔からの農法に対しても、もっと良い方法はないかと思いを巡らせたり、最も旬の時季を見極めて素早く収穫・発送したりと努力は尽きない。

そんな赤司さんの元には、福岡市内の人気飲食店からの注文も多い。「いい桃ができた時しか出荷しません。それを理解してくれているのはありがたいです。信頼関係ですね」と赤司さんは微笑む。「手間ひまはかかりますが作り続けられるのは、待ってくれている方がいるからです」美味しい桃ができた時が最高の喜びと話す赤司さんのそばで、心地良い風に揺られた桃も微かに笑っているように見えた。




続きは本誌で

ソワニエ+ vol.68 2021年7・8月号より