豊後高田の蕎麦粉はあっさりとした風味のため、北海道や熊本産を少量ブレンド。かえしのダシには枕崎の鯖節と鰹節、北海道の昆布を用いて、2種類の醤油を合わせて仕上げている。秋蕎麦の旬は11月末~で、春蕎麦は7月半ば~。
かつて神仏習合という独自の信仰が栄えた国東半島。神社仏閣をはじめ仁王像や国東塔といった石像も点在し、山深い地には厳かでどこか神秘的な空気さえ漂う。
貴重な平安建築を誇る国宝「富貴寺」の隣に佇む湯宿が『蕗薹』。古刹めぐりの拠点にする常連は少なくないが、もう一つ、旅の目的になるのが山里の宿らしい食事だ。なかでも夕食の締めである「豊後高田そば」はこの地の特産。年に2回旬を迎えるのが特徴で、寒暖差で風味を増した秋蕎麦はもちろん美味だが、品種改良を重ねた春蕎麦も匹敵する味わいで、年間を通じて新鮮な味や香りが楽しめる。
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