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九州のスター生産者 vol.41 朝倉 川茸

九州のスター生産者

vol.41

朝倉 川茸(学名:スイゼンジノリ)

長閑な田園風景の中を流れる、全長2km・水深50 cmの黄金川。
湧水を水源とするこの小さな清流には、200年以上も前に発見された、非常に珍しい淡水ノリが自生している。

遠藤淳さん/ 遠藤金川堂

1.17代当主の遠藤淳さん。昨年は「川茸」を使った葛アイスを考案するなど、新商品開発にも意欲的に取り組む。また、黄金川の清掃活動を通し、地域の子ども達に「川茸」の魅力を伝えている。2.希少なコガタノゲンゴロウの生息地でもある。5月になるとホタルも姿を現す。3.川底に自生する「川茸」は、成長すると浮き上がり、川の流れに乗って移動する。写真は、自然と流れてきた「川茸」をキャッチする収穫箱。手作りの網ですくい、「川茸」を収穫していく。4.直売所では、塩漬けにしたものや、川茸の佃煮などを販売。
江戸時代から重宝されてきた、朝倉生まれの伝統食材

朝倉でしか採れない、世界唯一の淡水ノリがあるのをご存知だろうか。学名はスイゼンジノリ。淡水を自生地とする日本固有の藻類の一種で、地元では「川茸」という名で親しまれている。以前は熊本などでも確認されていたが、水質、水温、水流の速さなど、さまざまな条件が揃わないと繁殖しないことから、人の手で環境を維持し続けてきた、朝倉の黄金川でしか見られなくなった。
「天然のものなので、環境を整えてあげることが最も重要です」と話すのは、『遠藤金川堂』の遠藤淳さん。実は黄金川で淡水ノリを発見し、「川茸」と名付けたのは遠藤さんの先祖。1793年に商品化され、その頃からほぼ変わらない収穫・製造方法が現在も受け継がれている。

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続きは本誌で

ソワニエ+ vol.90 2025年3・4月号より