味なプチ旅AJI na puchi TABI

週末日帰り旅のススメ 味なプチ旅

第三十七回

福岡県 豊前市

福岡県の東部に位置する『豊前市』。
今回は豊かな自然やレトロな町並み溶け込む、とっておきの穴場スポットをピックアップ。

取材・文/瀨下和歌子 撮影/武井メグミ

もみじ学舎
その高さ5m以上! 校庭にそびえる机と椅子のオブジェが話題の『もみじ学舎』。
廃校を再利用した交流施設で、ランチやスイーツを提供する「もみじかふぇ」や、木工作家のアトリエなどが入居する。
住所:豊前市上川底858
電話:080-5088-2003(もみじかふぇ)

ハモや牡蠣、豊前本ガニなどの海の幸に恵まれた豊前海や、修験山で知られる求菩提山などの美しい自然を有する『豊前市』。昨今は、巨大な机と椅子のオブジェが立つ「もみじ学舎」が、写真映えスポットとして人気を集めている。福岡市内から少し遠いイメージのある町だが、実は東九州自動車道を利用すれば車で1時間半ほどで日帰りも可能だ。
そんな『豊前市』には、まだまだ本誌未開拓のスポットが多数。山裾に佇む蕎麦とパンのハイブリッド店や、老舗料理店が手がける温泉宿、洗練されたインテリア雑貨を販売する店など、知る人ぞ知る穴場店に心ときめく。また、9月から翌3月頃まで市内の各神社や道の駅で行われる「豊前神楽」も必見。寒さを忘れさせる、熱い舞が披露される。せっかくなら、公演の日程に合わせて出かけてみてはいかが。

蕎麦とパンが名物の一軒へ

野山に抱かれた長閑な景色の中で味わう良質な地下水を使った蕎麦とパン

茶房 山帰来(さんきらい)

風光明媚な求菩提山の麓にある、岩岳川沿いに佇む。この地の自然に魅せられ、故岩田郁生さんが、良質な地下水を生かした蕎麦とパンの店を始めたのは23年前のこと。現在は妻・法子さん、次男・愼平さん、長女・みおさん、次女・ゆいさんの家族総出で、郁生さんのレシピを受け継いでいる。
セットメニューを頼むと、まず登場するのが3種類の焼きたてパン。水、小麦、塩、ドライフルーツなどのシンプルな材料で作り上げられており、香ばしさと粘り気が絶妙だ。そんなパンと不思議とマッチするのが、北海道産の蕎麦粉を使う二八の更科蕎麦。甘めのつゆのほか、ポルトガル産の塩、わさび、ネギなど、多彩な薬味で味の変化を楽しみたい。ボリューム満点なので、お腹を空かして訪店を。

茶房 山帰来
住所:豊前市鳥井畑658 電話番号:0979-84-8150 営業時間:11:45~パンが無くなり次第終了(ランチメニューは14:00まで※前日17:00までに要予約) 定休日:火曜、第1月曜、祝日の翌日 席数:22席 クレジットカード:不可 QRコード決済:不可 喫煙:禁煙 駐車場:共用Pあり
蕎麦サラダランチ1600円、ざる蕎麦単品1000円、天ぷら盛り合わせ500円
パン、蕎麦、季節のスープ、香の物(惣菜)、デザート、ドリンクがセットになった「ざる蕎麦ランチ」(1700円)。9〜10月頃からは新蕎麦が登場予定。
パンのみの購入も可。「新しいパンを作り続けたい」と担当の愼平さん。ハード系からスイーツ系まで、日替わりで約20種類が店頭に並ぶ。
ジャズが流れる落ち着いた空間。
天気の良い日はテラス席も利用可。
田畑や山々の美しい緑に囲まれた、築120年を超える古民家を改装した店。

立ち寄りスポット3選

お土産はもちろん、地元で話題の体験も紹介

浦野醤油醸造元

150年以上の歴史を持つ、登録有形文化財に指定されている老舗の醤油屋。定番の人気商品は、地元らしい甘めの醤油や昔ながらの味噌のほか、福岡県産の麹で造る「にじいろ甘酒」。また、「醤油博士」の資格を持つ浦野敦子さんに教わる、味噌・塩麹・味噌玉づくり体験(3500円~※要予約)も好評だ。不定期開催のため、事前にHPなどで日程を確認の上、予約してから訪店したい。

浦野醤油醸造元
住所:豊前市大字八屋1341-1 電話番号:0979-83-2326 営業時間:10:00~17:30(カフェ利用は17:00まで) 定休日:日祝日 席数:10席 クレジットカード:可  QRコード決済:一部可 喫煙:禁煙 駐車場:4台
発酵ランチ1200円(金・土曜限定)、麹屋の季節の味噌プリン1300円
6、7種類を用意する、色とりどりの「にじいろ甘酒」は320g・594円~。
「塩糀ドレッシング」(540円)。
「カラフルみそ玉セット」(800円)は日替わり。
塩麹造り体験の様子。所要時間は10分程度。塩麹を使った料理教室も開催する。
店内では、味噌や麹を使ったスイーツも味わえる。ワッフル各種280円~、生甘酒スムージー各種400円~。金・土曜は「発酵ランチ」(予約推奨)も提供。