味なプチ旅AJI na puchi TABI

週末日帰り旅のススメ 味なプチ旅

第二十九回

福岡県 太宰府市

福岡を代表する観光地・太宰府。
特に、菅原道真公を祀った太宰府天満宮は福岡県民にとって親しみのある場所だ。
そんな太宰府天満宮の御本殿は今、令和7年の完成に向けて改修工事が進んでいる。
今までとは違う顔を見せる天満宮を訪ね、改めて太宰府を巡ってみよう。

取材・文/淺原麻希 撮影/濱田陽守

かつて九州全体を統治した役所「大宰府」が置かれたことから、中国・朝鮮との外交の要となり発展を遂げた太宰府。今も大宰府政庁跡や水城跡など、往時を偲ばせる史跡が至るところに残されており、歴史深い場所として国内外から注目を浴びている。そのなかで最も賑わいを見せるのが、ご存じ「太宰府天満宮」。現在、御本殿は124年ぶりの大改修が行われているため、完成までの3年間は御本殿前に設置された「仮殿」で参拝客を迎える。「仮殿」といっても、屋根に木や植物を植え「浮かぶ森」をイメージした斬新なデザインなので、足を運ぶ価値は十分ありそうだ。帰りは参道の脇道にできた新スポットや、少し歩いて観世音寺の方へ。これまで知らなかった太宰府の新たな一面に出合えるだろう。

話題のNEW SPOT

~ NISHIKIMACHI~

本誌67Pの3店舗が入居する複合施設が、今年の2月に誕生。
江戸時代にこの場所が「錦町」と呼ばれていたことからその名が付いた。

NISHIKIMACHI
住所:福岡県太宰府市宰府2-7-5

鮨 ひら乃
電話番号:092-555-6821(2日前までの要予約) 営業時間:12:00~15:00(最終入店13:00)/18:00~21:00(最終入店19:00) 定休日:水曜、ほか不定あり 席数:7席 クレジットカード:可 QRコード決済:不可 喫煙:禁煙 駐車場:なし
ディナーコース17600円

大将の平野太一さんは、香港の鮨屋で研鑽を積んだ寿司職人。2年前、ひょんなことから太宰府天満宮の宮司と知り合い、生まれ育った太宰府で店を開くことになった。食材は、柳橋連合市場や東京の市場から仕入れる旬の魚介が中心。飾りすぎないシンプルな味付けと丁寧な仕事で、素材の旨味を引き出している。基本は夜のみの営業だが、予約があれば昼もオープン。天満宮近くでゆっくり寿司が味わえる貴重な一軒だ。

❶日本酒は、唐津焼や信楽焼などの碗で供される。❷高い天井から自然光が差し込む店内。カウンターには、大川市で買い付けた銀杏の木が使われている。❸朗らかな笑顔で迎えてくれる大将の平野さん。
❹〜❼昼のコース(11000円)より一例。❹近海で獲れたコウイカ。サクサクとした食感の種子島の天日塩と酢橘でいただく。❺天草産のコハダ。❻千葉県銚子で水揚げされた本マグロ。❼ふっくらと蒸された対馬産の穴子。

ほっと一息カフェタイム

~天神様通り~

ViiiV cafe 住所:福岡県太宰府市宰府1-14-33 電話番号:080-3180-5548 営業時間:10:00~17:00 定休日:月曜 席数:15席 クレジットカード:不可 QRコード決済:不可 喫煙:禁煙 駐車場:なし ViiiVブレンド650円、水出しコーヒーゼリー800円、たまごサンド950円

参道の喧噪を感じさせない静かな時が流れる『ViiiV cafe』。落ち着いた照明とBGMのクラシック音楽も相まって、バーのような大人の雰囲気が漂う。コーヒー豆は、筑紫野市にあるコーヒー豆専門店「コンチャ」から仕入れるオリジナルのもの。豆に合わせてドリップやエスプレッソ、水出しと抽出方法を変え、それぞれの美味しさを引き出している。ほのかな苦味がクセになるコーヒーティラミスと合わせてどうぞ。

❶店主・小佐々文也さんが目指したのは、喫茶とカフェを融合した空間。❷「コーヒーティラミス」(600円)と「水出し ViiiVブレンド」(650円)。❸シングル6種、ブレンド1種を揃える。豆の販売もあり。❹12時間かけて抽出したあと、3日寝かせる水出しは、まろやかで飲みやすい。