第二十八回
九州北部の18市町からなる北九州都市圏域には、桜の名所や地元食材の魅力を引き出す食事処、山間にひっそり佇むカフェなどわざわざ行きたいスポットが多数。
春風が心地よい晴れの日を狙って〝九州のてっぺん〞を巡ってみよう。
取材・文/淺原麻希 撮影/竹内さくら、森寛一
北九州都市圏域とは、北九州市と近隣の17市町(直方市、行橋市、豊前市、中間市、宮若市、芦屋町、水巻町、岡垣町、遠賀町、小竹町、鞍手町、香春町、苅田町、みやこ町、吉富町、上毛町、築上町)で構成されたエリアの総称。人やモノが頻繁に行き交う近隣市町が一体となり、地域の活性化を図ろうと2016年にできたこの広い圏域が、今回の旅の舞台だ。
北九州都市圏域は三方に海があり、一級河川の遠賀川が流れ、中心を福智山系が貫く自然豊かな場所。長閑な景色が広がるエリアも多く、ドライブしているだけでも十分旅気分を盛り上げてくれる。より充実した旅にするためのポイントは、事前にルートを決めておくこと。花・食・温泉など、気になるスポットを組み合わせれば魅力満載のワンデイトリップになるだろう。
春の訪れを感じる、この時季だけの花景色
四季折々の植物が生い茂る市内最大の都市公園。桜の名所としても知られており、3月下旬頃から約1000本のソメイヨシノが咲き誇る。埴生神社の境内へと続く朱塗りの太鼓橋と、遊歩道沿いを彩る桜のコントラストは格別の美しさだ。
地元の人も贔屓にする、とっておきの6店を紹介
豊築漁業協同組合が運営する「うみてらす豊前」の2階にある食事処。春はコウイカ、夏はハモ、秋はサワラ、冬は豊前海一粒カキなど豊前海で獲れた旬の魚介が味わえる。ほとんどのメニューは季節によって替わるが、「豊前海 地魚フライ定食」は一年を通して提供。まずはそのまま、次に自家製タルタルソースを付けていただこう。