第二十七回
国内で唯一、自然2、文化1の世界遺産をもつ鹿児島県。
今回は、世界文化遺産に登録されている産業遺産を軸に
〈ソワニエ+〉から1泊2日の宿泊旅を提案。
桜島や錦江湾といった鹿児島ならではの自然も満喫しながら、
大人の学びある旅を始めよう。
取材・文/淺原麻希 撮影/エリアス・アルフェンド、鳥越毅
九州最南端に位置する鹿児島県は、活火山・桜島や源泉数全国2位を誇る温泉、和牛日本一に輝いた鹿児島黒牛といったグルメなど、旅好きにはたまらない魅力が満載。九州新幹線を利用すれば、博多~鹿児島中央まで最短約1時間20分と、週末旅にもぴったりの場所だ。今回、旅のメインエリアに選んだのは、島津家28代当主・島津斉彬によって興された日本初の西洋式工場群「集成館」に関する施設や跡地が残る鹿児島市磯地区。「旧集成館」「寺山炭窯跡」「関吉の疎水溝」は、「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として世界文化遺産にも登録されてる。日本近代化の原点を辿ったあとは、人気のフレンチレストランや桜島を望むカフェへ。2日目は霧島方面で野外アートや温泉を楽しみ、充実した鹿児島旅を締めくくりたい。
夜景が広がる鉄板焼の店で肉を堪能したあとは、焼酎バーへ
昨年4月にオープンした複合施設「センテラス天文館」の最上階に位置。こちらでは鉄板ディナーを注文すると、市街地の夜景が見渡せるカウンター席で、シェフが焼き上げた和牛を堪能できる。なかでもぜひ味わってほしいのが、オリジナルブランドの城山牛。自社で製造するクラフトビールのビール粕を与え育てた牛の肉は、やわらかな肉質と凝縮された旨味が秀逸だ。ソムリエが厳選したワインと合わせると美味しさが更に際立つ。
温泉で疲れを癒やし、朝食で元気をチャージ
昨市街地を見渡せる標高108mの高台に建つホテル。展望露天温泉「さつま乃湯」では、どっしり構えた桜島を望みながら入浴できる。また、鹿児島産食材を使ったメニューなど約80種類が揃う朝食ビュッフェも人気だ。