第二十六回
福岡県南部に位置する柳川は、掘割と呼ばれる水路が張り巡らされた別名〝水の都〟。
町のいたるところでどんこ舟が行き交い、柳川ならではの風情ある景色が広がっている。
今回の旅では、定番の川下りをおさえつつ
新しいカフェや地の食材が味わえるランチを組み込んだプランを提案。
カメラ片手に風光明媚な柳川を巡ってみよう。
取材・文/淺原麻希 撮影/エリアス・アルフェンド
福岡有数の観光地のひとつでもある柳川は、福岡市内から車でも電車でも1時間前後で到着する、まさに〝プチ旅〟に最適なエリア。〝水の都〟とも呼ばれる通り、市内には総延長930kmの掘割が網目のように張り巡らされており、そこをどんこ舟で進む川下りがこの町の名物となっている。船頭さんのガイドや唄を聴きながら進む舟旅は、心休まる癒しのひととき。水面に映った柳の木や、緑の影から小魚を狙う鷺、大正時代に建てられた赤煉瓦倉庫など、地上からでは気づけない柳川の魅力に出合わせてくれる。川下りの終着点は、鰻屋や土産物店、カフェなどが立ち並ぶ沖端地区。古い街並みも美しく、じっくり見て回りたい場所だ。時には寄り道をしながら、気の向くまま旅を満喫したい。
川下りを終えたら、古い街並みが広がる沖端をぶらり
柳川初のクラフトビール醸造所が今年の3月に誕生。オーナーの黒田信久さんはみやま市の酒蔵に現在も勤務しており、そこでの経験・知識を生かしてビール造りに励んでいる。黒田さんが目指すのは、「美味しい料理に合うビール」。地元食材を用いたおつまみも用意し、柳川の食とクラフトビールの楽しみ方を提案している。現在はペールエールやスタウトなど4種類を展開。柳川土産としても喜ばれそう。
旅の合間に立ち寄りたい、注目のカフェ2軒
日吉神社の参道に面して立つ築90年の古民家が、9月17日にベーカリーカフェへ生まれ変わった。カフェは、福岡市内にあるコーヒーショップ「KAMAKIRI COFFEE」が監修し、ランチやスイーツで使うパンは、八女市にある「OliverRain」から仕入れている。「今後はホテル出身の料理長を迎えて、食事メニューを充実させる予定です」と代表の石橋隆也さん。庭のウッドデッキを活用した、ビアガーデンや花見も計画中だ。