週末日帰り旅のススメ
大人の遠足
第十八回
福岡市内からほど近く、ベッドタウンとしてもますます注目されている那珂川市。
四季折々の自然が楽しめるだけでなく、話題の飲食店やアート巡りなど見どころも目白押しだ。
取材・文/藤﨑智子 撮影/竹内さくら、恵良範章、徳原宏信
その住みやすさから移住者も多く、人口増加に伴い2018年には単独市制が施行され、町から市になったことでも知られている那珂川市。人口増加の理由は、都市部に近いことはもちろん、豊かな自然にもある。特にアウトドア好きの注目を集めていて、五ケ山ダム周辺に設けられた「五ケ山クロス」は、キャンプや川遊びなどシチュエーションごとに4つのスポットに分けられている。
さらには予約必須の麺処や長年この地で愛される喫茶店など、飲食店が充実しているのも嬉しいかぎり。また、南畑周辺は移住者が構えたアトリエも多く点在しているので、アート巡りをしてみるのも面白い。気軽な週末日帰り那珂川旅を、思う存分楽しもう。
完売は当たり前、事前予約が欠かせない。そんな那珂川のこだわり麺処をご紹介。
店主の中島慶達さんは体調を崩し、生死をさまよった経験から、食材にこだわったうどん作りを始めた。食材は九州産を中心とした無農薬の小麦や野菜、2年間天日乾燥させた塩などどれも自分が納得のいくもののみで、“自然の味”への追求に妥協は一切ない。脊振山系の岩清水を使った麺は、コシが強く、弾力がありモチッと吸い付くような食感で一口含むと小麦の香りが口いっぱいに広がる。席につくとまずミニサイズの“ウェルカムうどん”が出されるのもこの店ならでは。隠れ家的場所にあるが、超が付くほどの人気店のため、必ず予約してから訪れよう。
那珂川上流に位置する南畑エリアは、アートの里としても有名。
お気に入りの作品を見つけに、車を走らせてみよう。
手頃な価格の小物からオーダーメイドの家具まで幅広く制作する林田宏之さんの工房。無垢材の木目を活かし木の良さを前面に引き出した作品は、シンプルで実用性が高いのが特徴だ。工房には娘の夏実さんが営むベーカリー「napan」も併設しているので、ぜひ立ち寄ってみて。仲の良い親子の姿に癒やされる人も多いとか。