週末日帰り旅のススメ
大人の遠足
第十七回
心安らぐのどかな風景が残る大分県玖珠町。
アクセスの良さも魅力の一つで、気軽に足を運べるのが嬉しい。
今回は玖珠町を中心に、周辺エリアも巡ってみた。
取材・文/藤﨑智子 撮影/エリアス・アルフェンド
大分県の西部に位置する玖珠町は、日田市や九重町などと隣接し、福岡市内から車で1時間半程度で行けるドライブにはもってこいのエリア。町内にはJR久大本線が通り、大分自動車道・玖珠IC周辺に見どころも集まっているためアクセスの良さも嬉しい。
町には昔ながらの田園風景が広がり、シンボルである伐きりかぶさん株山や豊富な水量で水しぶきをあげる慈恩の滝など豊かな自然が残っている。そんなこの町には絶景を望みながらいただく本格派の蕎麦処や、穏やかな店主が営むカフェ、地元の人に愛されるコーヒー屋など、どれも心をほぐしてくれる店が揃っている。最後は自分だけの貸切温泉で羽を休めたら、身も心もリフレッシュできるはず。手軽な週末日帰り旅を満喫しよう。
玖珠のカフェは一つひとつがホッと安らげる、とびきりの場所。
こだわりのドリンクやスイーツで舌も心も満たされて。
周辺にあまりカフェがないことから、店主の麻生夫妻が「ゆっくりくつろいで時間を過ごせる場所を」と自宅2階を改装し、今年2月にオープンした。看板メニューの「レアチーズケーキ」は、妻・夕子さんの母が湯布院で営んでいた「珈琲HAMANO」のレシピを受け継いだもの。他にもレモンケーキやクッキーなど、どれも国産の食材を使用した日替わりの手作りスイーツがいただける。店内のランプやテーブル、オーディオなどは「珈琲HAMANO」から譲り受けたものだとか。暖かい木漏れ日が差し込み、ゆったりとした時間が流れる店内で、日々の喧騒を忘れよう。
町を見渡せる山頂で、澄んだ空気を吸って深呼吸。
リフレッシュして元気をチャージしたら、最後はお楽しみの温泉に浸かろう。
約1000坪の広大な敷地に、趣の異なる12の貸切温泉や休憩所を備えている。150年以上前の玖珠産のけやきを大胆に配した湯船や、約20トンの自然石をくり抜いた湯船など一部屋ごとに雰囲気が変わるため、どの湯にするか選ぶのも楽しい。貸切温泉でありながら一つの湯船は5~6人が入れるほどの広さで、ゆったりと湯浴みを堪能できる。湯は45~46度とやや熱めだが、これは広い湯船がすぐに冷めてしまわないようにとの配慮から。予約は不可のため、時間に余裕を持って訪れよう。